昨日の夕方のこと。
空気が澱んでいたので窓を開けて換気扇を回し、雨上がりのものすごい湿気を感じながら、炒めたシャウエッセンを食べようとしていた。
ケチャップにハバネロソースを振りかけ、気持ち良いくらいパリッパリのシャウをひと齧り。
すると、ヒグラシの鳴く声が聞こえてきた。結構なボリュームで。
ヒグラシというと、季語のせいなのか晩夏というイメージがある。でも実際はそうではない。めっちゃくちゃ暑い時にもガンガン鳴く。
蝉の声は暑さと相まって不快に感じることもある。ところがヒグラシに限ってはとても変わった、涼しげな声だと思う。
ツクツクボウシも変わった鳴き方だが、涼しげだとは思わない。音程が面白すぎるからだ。
ヒグラシだけは私の夏に独特の清涼感を与える。
私は「蝉の声」という言葉をなんのためらいもなく使っている。
でも虫の「声」が聞こえるのは、世界中で日本人とポリネシア人だけらしい。
他の人々は「声」ではなくただの「音」として処理するということだ。機械音やその他の雑音と同じ扱い。
日本人は言語と同様の左脳で処理するため、虫の声が聞こえるんだそうで。
なぜ日本人には虫の「声」が聞こえ、外国人には聞こえないのか? - まぐまぐニュース!
こういう話を聞くと、俄然テンションが上がる。
日本人とポリネシア人だけ聞き取れるの?すごい、何それめっちゃお得じゃない?世界の大多数が聞き取れない声を聞き取っちゃうなんて、楽しみが多いってことじゃん。しかも日本人とポリネシア人だけってどういうことなの?これはポリネシアに行ってみるしかないな。云々。
とても単純な性格だな。この性格こそがお得そのものだろ、という気がしてきた。
どうでも良いことで傷つくのに、こういう情報を得るだけでその5倍くらいは元気になれる。
昨今の状況もあって先が見通せないが、いつかポリネシアの島々を巡りたい。たぶん有名なイースター島からなら行きやすいだろう。
こうして私はポリネシアについて調べ始め、今度はモアイを深追いし、みたいなことが起こる。やめ時が分からず寝れなくなったりする。
こうやって改めて書くと、ただの子供じゃないか。
ヒグラシは気がつくと鳴き止んでいた。
蝉の命はとても短い。さっき鳴いていたヒグラシは今日のうちに死んでしまい、明日我が家の近所で鳴くのは生まれたばかりの別の個体かもしれない。
もしくは、明日は鳴き声を聞くタイミングがないかもしれない。そうなると次はいつ聞けるのだろうか。
もしかしたらヒグラシの声は、必死で自己主張をしているのかもしれないし、人間でいうところの歌を歌っているのかもしれない。有り余るエネルギーを発散してるだけかもしれないし、別の個体と会話しているのかもしれない。
妄想するだけでとても楽しい。やはり私はお得な性格をしている。
ただ妄想が捗りすぎてしまってシャウエッセンの味が飛んでしまった。もう在庫はゼロだというのに。そこだけは損した感が否めない。まぁ、いつもの味だったとは思うのだが。
シャウエッセンを買いに行こう。しかし、美味しいものはすべからく高いので困ってしまう。
死ぬまでにシャウエッセンの値段を見ずに買えるくらいの財力を持ちたいところだな。
おまけ。
冒頭に書いたハバネロソースはこちら。タバスコに比べてすごい勢いで消費している。
スモーキータイプも使っているが、こちらは燻製の香りがものすごいので、何につけるにも一滴くらい。全く減らない。減らなすぎだ。
もうひとつおすすめの調味料、サテ・トム。食べるラー油ベトナム版。カルディに別ブランドの商品が売っているが、私は最近こちらのオン・チャバにハマっている。
夏場は素麺を食べる時に使う。素麺つゆ、豆乳を1:1くらいで混ぜてサテ・トムを好きなだけドボン。
他にはチャーハンに混ぜてもいいし、卵かけご飯にも使える。ただしこれを使うとどんな料理でもエスニック全開の味になってしまうが。すんごいパワフルな調味料。
おまけのくせに長くなってしまった。食いしん坊だからこうなる。