先日、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『リコリス・ピザ』を観た。
15歳と25歳の恋愛ってどうなんでしょ、ってのは一旦置いておこう。
クーパー・ホフマンが貫禄ありすぎ、お父さんの面影ありすぎ、ってのもちょっと忘れとく。
とにかくとっ散らかってて笑えた。そういう映画は大好物である。
青春恋愛映画のフリをして、実はそうでもない。タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がそうだったように、旧き良き時代への讃歌。
でもこの映画の方がより監督の経験に基づいたもの、自分史という感じがする。
そしてトム・ウェイツが元気に出演していたのが嬉しかった。なんとなく勝手に居なくなって世界の果てでひとりで死にそうなイメージだからだ。あくまでもイメージだが。
PTA監督の作品は好きで、『ファントム・スレッド』なんかはダニエル・デイ=ルイスの全てに身悶えしながら観た。(頼むから俳優復帰して欲しい。靴職人になったんだっけ?それは前回の引退時だっけか)
音楽のジョニー・グリーンウッドと組み続けているのも良い。レディオヘッドは学生の時から聴いている。ザ・根暗の証って感じだな。初期こそ分かりやすい曲調だったけど。
そういえば「レディオヘッド」でググると「レディオヘッド エド いらない」と出てくる。なんでそんな検索をかけるんだ。マジでエドに謝れ。「レディオヘッド 良さがわからない」も出てくるが、検索したところで分からないままだろ。もしくはマイナス面での同志を探そうとするな。どうでもいいサジェストすぎる。
好きすぎてつい語気が荒くなった。
この前も書いたが、ここ数日『リコリス・ピザ』のサントラをSpotifyで聴いている。ど頭からニーナ・シモンが流れる。
私が初めて聴いたニーナ・シモンはこちら。カッコ良すぎて息するのを忘れる。
Youtubeが埋め込めないから逐一リンクを貼ることにしよう。これ、映像も好きなんだよな。
Nina Simone - Feeling Good (Official Video) - YouTube
この曲でニーナ・シモンを知ったのだが、きっかけは大好きなMUSEがカヴァーしてたからだ。こちらも学生の時から聴いている。
MVはこちら。
Muse - Feeling Good (Video) - YouTube
2001年、初めてMUSEのライブに行った。Zepp Tokyoで最前列のブロックだったので、かなりテンションが上がっていた記憶がある。
開演前、目の前に置かれていたマイクスタンドにめちゃくちゃ薔薇が巻きついていた。正直これはなんぞ、という感じだった。ちょっと不安になった。
そして登場したボーカルのマシュー・ベラミーが薔薇の花びらを撒いた、気がするんだが記憶違いかもしれない。その時の映像を探して見てみたが、マイクスタンドの薔薇は確認できたものの撒くシーンは出てこなかった。妄想がひどい。
当時のMUSEは変な方向にダサかった。というか今でもこの人たちは絶妙にダサいところがある。ただし確実に振り切ってるから今も昔も大好きなのだ。
赤髪のマシューの声はほんと最高だったよ。あともうZepp Tokyoがないことが悲しいよ。
MUSEのカヴァー曲をもう一曲貼る。
サビの前で止まるんかい。やはり映像を貼る。
MUSE - Can’t Take My Eyes Off Of You [Tokyo Zepp 2013] - YouTube
もうこのアホみたいなステージ最高だわ。みたいっていうか、アホ。私もステージで踊りたい。
MUSEのカヴァーはどれも良い。原曲のカッコよさを全く損なわずに、MUSEの曲としても成立させている。それって、なかなかにすごい。曲の選び方がいいのかもしれないが、塩梅が本当に上手い。
どうでもいいが、「カヴァー」って書くのもしかして鬱陶しい?「カバー」がスタンダードなのかな。
好きな音楽についてはいくらでも書けてしまう。
若い時に聴いた音楽って、自分を構成する重要な一部だな。PTA監督もそんな気分で『リコリス・ピザ』を作ったんだろうか。
しかし、最近の音楽に疎くなっているなと思う度に歳を喰ったなぁ、良くないよなぁと思う。いつでも新しいものは摂取したい。
別に若造りをしたい訳じゃない。ただ昔の記憶に安穏としてあぐらをかいているようじゃ、映画なんて撮れない。
イエジー・スコリモフスキやミヒャエル・ハネケくらい、歳を喰っても現代性を取り入れていきたいもんだ。
旧き良きものも、新しいものも全部混ぜこぜ、チャンプルー映画を作りたい。映画だったらそういうことができる。
突然チャンプルーとか言って沖縄感があるが、そのうち沖縄についても書こうと思った。
おまけ。
家で作業をしながら、気分転換に香水をつけることがままある。
さっき香水をつけた後に珈琲を飲んだら香水の味がした。淹れ直しである。
そんなことをもう5回はやった気がする。いい加減、珈琲とは離れたところでプシュッとする癖をつけねば。