それなり日記

映像作家、三宅美奈子の日記のようなものです。

文学なんて個人的なものです。

 

文フリ、後編である。

4人揃った我々は、しばらくタリーズでしゃべりつつ、会場入り口の混雑が緩和するのを待った。開場30分ほど経った頃に入り口までゾロゾロと行ってみると、一応スムーズに入れるものの、なかなかの人混みである。

 

世の中にこんなに文学好きがいるのか…みんな癖ありなんだろうな、遠征組も居るだろうし、それなりのお金が使われているんだな、というか私の予算足りるんだろうか?と思いながら、まず田畑書店さんのブースへ。

田畑書店さんはポケットアンソロジーというものを出していて、少しずつ集めて自分で編むのが楽しい。

これを一冊、誰かにプレゼントというのも良い。分厚い本は渡しにくいかな、という相手にうってつけ。渡す方も受け取る方も気楽である。

tabatashoten.co.jp

 

ここではまず短歌アンソロジーを購入。

小島なお、初谷むい、東直子、平岡直子、山崎聡子という豪華な執筆陣。もう全員好きだよ、最高か!

その後は山崎ナオコーラさんの書評集を買ってサインを書いてもらい!Zさんオススメの小津夜景『いつかたこぶねになる日』を買い!(こちらもサイン本だった)

順調にお金がなくなってゆく。なんだこのイベントは。いくらあっても足りないのでは。

 

ところで、汗だくで売っている方たちがいて、真夏かと錯覚した。まだ5月ですよ?会場内に空調があまり効かないゾーンがあり、そこにいる人たちは大変そうだった。

かくいう私も汗だくになっていた。薄着にしたつもりだったが、タンクトップに長袖のシャツでもキツイ。いつもの友人とPさんに至っては(二の腕を触り合っていたことからも分かる通り)袖がない服を着ていたが、それでも暑そうである。

人の熱気って、本当にすごいんだな。

 

私は一応マップを見ながら歩いていたが、いつもの友人とPさんは放棄していた気がする。(Zさんは途中で別れ、自分の行きたいブースを巡っていた)

マップ見てるからって私についてきたらダメですよ、基本地図とか読めないんだから。などと思いながらバクラヴァの本を買ったり、また短歌の本『胎動短歌』を買ったりした。佐々木ののかさんや大阿久佳乃さんのコラムが載っている『B面の歌を聞け』も買うことができた。

 

これは美味しいバクラヴァ

www.nadirgulluonlinestore.jp

 

あと絶対手に入れたかった、オルタナ旧市街『ハーフ・フィクション』も無事に購入。オルタナ旧市街さんはいつも装幀がキラキラしている。かわいくて撫でたくなる。というか、気がついたら撫でている。

もちろん中身だって良いのだ。小説のような、日記のようなエッセイのような文章。現実と夢がうねうね混ざったような世界で、共感してみたり驚いてみたりしてしまう。匂いや手触りにニンマリしたりね。

twitter.com

 

あと小島なおさんがいらっしゃっていて、サインをいただいた。まさかご本人にお会いできるとは感無量...。ちなみにお母様の小島ゆかりさんの短歌も大好き。

長らく手に入り難かった『乱反射』を書肆侃侃房が出してくれたのだよ。私が買った時は高騰してましてね。あまり高いのは腹が立つから、必死で安いの探したけど。ネットで探しまくって、結局BOOKOFFの店頭にあってビックリした思い出。

www.kankanbou.com

 

 

なんだかんだ、いつもの友人も着実にお金を使っているようだった。Pさんも買ってはいるが、堅実に使っているように見えた。そう、私といつもの友人はすぐにお金を使う、浪費家である。

良い言い方をすれば、趣味に全部注ぎ込むタイプだ。根っからのオタクなのだ。(良い言い方になっていない?)Pさんはその辺り、冷静になれる人に見えた。というかそれが当たり前の大人かもしれない。

 

ひとまず3人の行きたいブースは回りきった!しかしまだ第二会場があるのだ。恐るべしだな、文フリよ。そちらは第一会場よりは狭そうだし、目当ても少ないのだが行ってみることにした。

するとなんだか、客層が変わった気がする。雰囲気が何か違う。

何故なのか気になりながら、私のお目当てのブースを探して歩いたが...ない。そんなブースがないのだ。どう考えても通り過ぎているので戻ってみたところ、店じまいをしていた。何冊売れていくら、みたいな計算をする声が聞こえた。

 

この日始めての敗北。第一会場を優先したから仕方ない。

ちなみにその本は、文フリ後の通販で買えた。『奇書が読みたいアライさんの変な本ガイド』である。そうなのだ、私は奇書が好きなんだ。奇怪で愉快なものが好きなんだ。

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で、なんで第二会場の雰囲気が違うのかというと、もっとコアだった。というより18禁も可と言うべきか。官能やらなにやらがやたら目につく。

しかしぱっと見、まったくそそられなかった。私が思う官能とは谷崎潤一郎のサディスティックな陰翳のある文章の凄みとか、山田詠美の実存迫力肉弾戦(肉弾戦には精神が塊になってぶつかり合うことも含む)とか、中上健次の土着えぐみベタベタ増し増しとかであって...とにかくその辺でもう満足してしまったのかもしれない。申し訳ないが、この3人を超えてくれないと官能とは言えん!

 

なんかアホみたいに興奮してしまったが、もちろん異論は認める。私の好みの話なので。

でも官能とはなにか考えるのは楽しいのは分かるな。一番難しいジャンルという気がするが、とても挑戦しがいがあるんだろう。

とにかくそういう理由で、第一会場のオープンマインドな空気に比べたら独特だったのかもしれない。

 

なんとなくふわーっと会場をまわり、クルミドコーヒーにて飲み物を飲むことにした。

暑いからアイスコーヒー...と思ったが、自家製ジンジャーサイダー(確か)があった。それを口に出したところ「うわー、すぐそういうの行こうとする」的なことをいつもの友人に言われた。

そうなのである、初手で変わり種を頼む癖。この前クッキーをあげた時には「美味しいけど、美奈子の味がする」と言われた。ちなみに何味かと言うとブラックペッパー&ローズマリーである。おつまみクッキーだ。そうだな、美奈子味で間違っていないな。

 

そう、コーヒーの店なんだからコーヒーにすればいいんだ!と心の中で決めて、いつもの友人とPさんの方を見ると「アイスコーヒー!」とユニゾンで答えてくれた。仲良しだな。

アイスコーヒーを堪能しながら第二会場をあとにし、Zさんを待つことにする。待っている間、買った本を整理した。予算は使い切りましたね。

 

いつもの友人が壁に手を当てて話しながらストレッチを始める。自由だ。そしてそれを写真におさめるPさん。そこに映ったのはヒーリングとか言って手からなんか出してきそうな表情のいつもの友人。自分で宗教家と言ってました。いつもながら、表情が豊かでいいですな。

 

そしてZさんが無事に合流し、我々はぼちぼち帰ることにした。この時、14時半くらいだったか。再び混み合う流通センター駅...。

電車に乗って帰りながら、Zさんに3人ともadidasの白いスタンスミスを履いていることを指摘された。まぁ歩き回りますしね。スタンスミス、何にでも合うしね。私は普段からスタンスミスとコンバースばかりです。

 

最終的に、新宿にたどり着いて女3人でタピオカを飲みました。なぜだ。久々に飲んだけど美味しかったな。

ここでもちゃんとスタンダードな飲み物を飲んだ。鉄観音ラテの黒糖タピオカだったと思う…。タピオカのお店自体たくさんあるし、メニューも豊富だから分からなくなる。ま、ラテにしておけば間違いないんだ。

カロリーは考えたくないやつだけど。ご飯一膳は超えてくるので。

 

 

そんな感じの一日だったが、あまり文学について書けてない。日記だから別にいいか。

また文フリには参加してみたい。願わくば、会場が暑くも寒くもないといいんだが。

 

 

 

 

 

 

おまけ。

暑くなってきたので、赤坂青野の冷やしみたらしが食べたいです。

ネット予約の6月分、売り切れてますけど。ちなみにこちら、タピオカ粉入ってるそうです。

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