それなり日記

映像作家、三宅美奈子の日記のようなものです。

初出

 

気温はまだ高いが、秋の気配だ。

私は秋になると調子を崩す。ありとあらゆる調子が崩れるのだが、主に肌荒れとメンタルである。すなわち秋の気配とは肌にアレルギー性のブツブツができることと、気持ちが鬱々して全てにおいてのやる気が削がれることである。ろくなもんじゃない。

 

美味しいものはたくさんあるし(芋とか栗とか)気候もちょうどいいし、紅葉とか風景も楽しめる季節だっていうのに、鉛を食べてしまったかの如く中心が重たい体を引きずりながら動いている。別に毎年のことなので慣れているし、そもそも性格が鬱々しているし、誰かのアドバイスや気遣いが欲しいわけでもない。(皆様方におかれましては、通常通りの接し方でお願いします)

ただ季節に振り回される自分が嫌になるのである。日本に四季があって良かったと思うが、なければいいのにと思う瞬間も多い。ただ純粋に季節の移り変わりを楽しめたらどんなにいいか。

 

そういえば、秋を感じる特徴的なことがもうひとつ。

毛がゴリゴリ生え変わる。もともと毛量が多く、ドライヤー後の洗面台が毛だらけになるタイプなのだが、秋は格段に抜け毛が増える。もちろん抜けるだけではなく生えるので、アホ毛が目立つようになる。

そんなに分かりやすく生え変わるのってどうなんだ。もはや野生動物なのではないか。

 

 

秋の話を始めてしまったが、今日は前回に引き続き、女3人無邪気に愛を育む会の話を書く。

無邪気は言い過ぎかもしれないが、我々のLINEはだいたい愛が叫ばれている。主に叫んでいるのはいつもの友人であり、呼応してPさんが叫び、私は観察しながら叫ばずに乗っかるくらいだ。

先日の『射精責任』のイベント後、グループLINEに会いたい、会いたい、の文字が飛び交った。あんなに長時間会って話していたのに、まだ足りないというわけだ。いつもの友人とPさんが会う約束をしていたので、私も参加することにした。会いたいか会いたくないかで言えば、会いたいのである。面白いから。

 

 

約束の日、またしてもアバウトに集合する予定だった我々はLINEで連絡を取り始めた。

私はその前に行くところがあったので、いつもの友人とPさんが先に集合することになっていた。しかし既に家を出ているPさんに対し、いつもの友人は「まだ家」と言っていた。理由は探し物である。出かける前に小一時間の探し物。しかも見つからなかったらしい。

と思ったら、今度はPさんが「電車でストールをなくした」とのこと。ふたりとも何か失くすのが得意なんだろうか。まぁ私も得意なんだが。そんなところはお揃いにしなくていいんだよ、いくらJKだとしても。(まだ言ってる)

 

ふと私は、ストールを持ってきたことに気がついた。PさんのLINEを読むまですっかり忘れていたが。夏は冷房対策のためにストールを持ち歩くことが多い。しかし念のためなので、使わないこともままある。私がいつも大荷物なのは、滅多に使わないものが入っているからだ。実に阿呆らしい。

私はPさんが袖のない服を着ているのではないかと予想し「貸すよ」と言っておいた。私はそれなりの長さがある半袖を着ている。おそらく寒くならないだろう。

 

一足先に着いたPさんは、ペットショップに向かったようだ。理由としては犬が可愛いから。そしてほどなくしていつもの友人も合流したらしく、写真が送られてきた。

子犬を抱いているいつもの友人の顔は、いつもの顔筋の動きだった。筋肉が上にいったり下にいったり斜めったり忙しい。別に比喩ではなく、本当に斜めになっている。たいていの人間は表情を作るのに上下左右で済まそうとするはずだが、彼女は違う。性格は真っ直ぐなのに顔筋は斜めに動く。

 

そんな写真を眺めるうちに、私も駅に到着したのでペットショップに向かった。

店内に入ると、子犬を抱っこしながら店員さんに接客を受けているふたりがいた。近づくと店員さんに「3人だったんですね」と言われた。Pさんが入店、いつもの友人が合流、さらに私が到着。増殖。ペットショップで待ち合わせるという謎。

そしていつもの友人が「違います、トリプル(©︎村田沙耶香)です」と言ったかどうかはご想像にお任せする。村田沙耶香さんの小説についてはみんな読んで欲しい。面白いから!

 

そういえば前にもこんなことが...と思ったが、私といつもの友人は香水の店で待ち合わせたことがあった。しかもそこで香水をあれこれ試したあげく、普通に別れたのだった。その時の記事はこれ。

minakomovie.hatenablog.com

 

我々はなんとなく集合で、普通はあまり待ち合わせ場所に使わないところで落ち合うのが好きなのかもしれない。

 

ペットショップを出ると、いつもの友人の服が風変わりなことに気が付く。なんとも説明が難しいのだが、ちょっとめくるとお腹が見えるのだ。Pさんは服をめくって笑っている。道のど真ん中で。みんなに見えるぞ?もはや見せたいのか。

いつもの友人はそんな変わったキャミソール、Pさんはピンク色のノースリーブだった。やっぱり袖がない。私の予想は大当たりである。ほくそ笑んでから、Pさんってピンク色が似合うんだなと思う。PさんのPはピンクのPから取った訳でははないが、それでもいいくらいに似合っている。

ちなみに私はピンク色というキャラではない。ビビッドなピンクなら着ていたこともあったし、むしろ髪の毛が赤髪からのピンク色に色落ちしていたことはある。(むしろ、ってなんだ?)だが、淡い綺麗なサーモンピンクなどは似合わない気がする。

 

Pさんは色が白いしね。もしかして眩しいのは肌の色の影響が大きいのか?などと思いながら、いつもの喫茶店に向かう。未だにPさんは眩しい存在である。でも前よりも盗み見している。直視ではない、盗み見。

流石に今回はいつもの友人も、「ここだっけ?」とは言わなかった。なんたって先週来たばかりだからね。先週とは違う席に通されたが、店員さんはまた同じ人でワンオペだった。だから、どうなってるんだ。休みの日だぞ。

 

我々はそれぞれ珈琲を頼んだあと、作業に入った。そう、この日は「作業をしよう」と決めていた。...先週もそんなこと言っていたはずだが。今回はそれなりに作業をした、気がする。

 

いつもの友人は、あることを思い出せねばならず、私とのLINEを見直していた。年がら年中LINEしているので、検索すれば色んなことが出てくるのである。私も結構やっている。便利な記録だ。

さらに我々は手紙を出し合うし、こうやって会ってもいる。手紙を書いている時にLINEが来て「今、手紙書いてた」と返信したりする。そんなに書いたり喋ることあるの?と疑問に思うかもしれないが、我々の会話に内容があることは稀である。お互いに脳内の言葉がダダ漏れなだけだ。

でもそんなに意味がない会話を延々と出来る友人って、そうは居ない。そして意味がない話の中にこそ、時々驚くような発見ってものがある。人にしゃべりながら頭の中が整理されるってことも多いし。そういうことにしとこ。

というかこの話、前も書いたような気がする。私もいつもの友人に負けず劣らず、すぐに物事を忘れる。でも前に書いたことがあったとしても、一字一句同じにはならないだろうしいいと思っている。

 

そういえば、この店でPさんにストールを貸したところ匂いを嗅がれた。私が香水好きなので良い匂いがしそう、という流れ。そしていつもの友人も嗅いで「石鹸の匂いがする」という結論に。ちゃんと直前に洗ったやつで良かった、危ない。家にしばらく放置しておくといろんな匂いがつくからね。

とか思っていたが…P子それ石鹸やない、香水や。出かける前、ストールにfogというところの『skin』という香水(布や空間用)を振りかけたことを思い出した。

https://www.instagram.com/fog___perfume/

ここの香水は精油たっぷりで作られているので肌にはつけられない。そのため、たまにストールにつけるのだ。確かに石鹸の匂いみたいで、少し甘く懐かしい香りがする。

 

『skin』っていう名前もいい。皮膚に興味がある私としては買わざるを得なかったのだ。皮膚に興味があるってなんだ、って話だが。

 

こういう方向性に興味があるのだ。でもこの本、重いし高いし難しそうだしまだ買ってません。そのうち読むよ...。

 

 

とにかく、Pさんが「ストールを洗った洗剤の匂い」だと思ったのか「石鹸の匂いがする香水」だと思っていたのかは分からないが、くっせぇな、と思われなかったようで安心した。それはfogってところの香水で、などと話始めるとオタクが露呈するだけなので何も喋らず黙っておいた。

しかしオタクが露呈するとかいう心配をする前に、3人とも変態が露呈しているので気にする必要はなかったかもしれない。

 

 

話が戻るが「節子それ〇〇やない、〇〇や」はネット上でよく見かける構文だが、初めて使った。今更使うのって寒い、と言われそうだがいいのである。「初めて」に意義がある。

最近、Pさんは自分が今までやったことがない方向性にチャレンジしようとしている。私はそれを超えていけ超えていけ!と囃し立てているが、私もこの恥ずかしい節子構文を使うことで現状打破を狙っていない。

そんなんで現状を超えていこうとは思っていない。どちらかというとP子って言いたかっただけ。P子って音も字面も可愛いから。でもおすぎの相方みたいになるので、Pさんって呼ぶ方がいいか。

「いない構文」を使うのは2度目だ。こっちも寒いので3度目はない。いない構文ってなんなんだ。そんなのあるのか知らないが。

 

 

我々は店員さんに促され、店を出ることになった。今までは特に促されなかったのだが、休日で混んでいるからだろうか。と思ったがそれなりに空席もあったので、ちょっと意味がわからなかった。店員さん、ワンオペだから疲れてるのか?だが我々は素直に二軒目へと向かうことにした。

お腹が空いたらしいふたりを、次のカフェへ案内した。そう、私が案内するのである。喫茶店フリークだから。マニアじゃなくてフリーク。マニアは「狂」だがフリークは「異常」だと捉えている。どっちもどっちだが、私の場合は喫茶店に狂っているのではなく、異常に喫茶店を利用する人間である。

 

と、ここまで書いて4,000字を越えていることに気がついた。

越えているのに全然一日が終わる気配がない。どうしましょ。どうしようもないので、一旦ここで締めます。ここからまだまだ移動したんだよな、我々。

 

 

 

 

 

 

おまけ。

秋の味!芋!甘い!

でもパッケージみたいな焼き芋が食べたいな。近所に来る焼き芋屋さん美味しいんだよな。