それなり日記

映像作家、三宅美奈子の日記のようなものです。

魔界・後編、と見せかけて中編

 

サイゼリヤ、夜が更けてからの話ね。

前編はこちら。

 

minakomovie.hatenablog.com

 

そもそも何時間いるんだよ。まぁアレコレ頼んだから許して欲しい。

 

我々は人間の話をするのが好きである。濃いめの。

人間関係の話になってくると出てくるのが、恋愛的なアレとかハラスメント的なアレとか。(アレとか、ってのは我々の話の範囲が広いのでそう書いておく)

 

どの集団にも不届者っていうのは存在するようで、やれ知人の浮気祭りだの、やれ距離感がおかしいだの、色々と噴出した。

そしてそういった不届者をどうかわすか、という話になった。まずいつもの友人は瞬時にきちんとかわすことが判明した。反射神経抜群である。

Pさんは不快だとか怒りを感じるまでにタイムラグがあり、あとで発散するタイプだという。だが、雰囲気的には強さがあるのでそれなりに回避は出来るらしい。

私はというと、不快を認識するまでにめちゃくちゃタイムラグがある上に、見た目や話し方が舐められやすいせいか、変な目に遭いやすいということが分かった。いや、まぁ前々から分かってはいたのだが。

 

なんだろう、私は反射神経を鍛えればいいの?武術でも習うべきか?

いつもの友人なんて、不届者に面白くダメージを与えるやり方を速攻で考えついていた。彼女は常に人生を楽しもうとしている。見習うべきポイントだ。マイナスにされたメンタルを取り戻す、なんならプラスに持っていこうという精神の強さよ。嫌な思いをさせられたら、楽しみながら吹っ飛ばすのである。

 

Pさんは基本的にバランスが取れているのに、時々天然が顔を出す。元の単語を忘れたが、いつもの友人の言葉を聞き間違えて「青じそ?」と言っていた。しかも2回くらい聞き返してた。普通、ハラスメントの話に青じそは出てこない。(絶対とは言えないが)

そういうところは不届者に好かれそうだが、芯は強めで若干の変態感があるので、一定ラインで跳ね除けられているのだろう。変態感は得体が知れないな、と相手に恐怖を与える。Pさんの変態性の詳細については言及しない。プライバシーだ。あと、勝手に私が思っているだけなので。

 

ちなみに結婚してからは、私には「うちの人」という強めバリアがあるので、そこそこ跳ね除けている。学校一の不良のお兄ちゃんがいる妹が虐められない、みたいな感じだ。存在として圧があるのでありがたい。でも見ず知らずの人には通用しないので、困ったものである。

首からうちの人の写真をぶら下げたら大丈夫か?スマホの待ち受けにする?いや、別に顔を知らしめたらいいってもんでもないな。その前に、純粋にやりたくない。人様を魔除けにしてどうする。どうせなら自分自身のヤバさを主張するべきだ。

 

いつもの友人もこちら側が上回ってヤバくなるしかない、と言っていたな。不届者にはそれを超える不届きな行動をするしかないのだ。…というかね、なんでこちら側が策を練ったり努力せねばならんのだ。不届者はそのヤバイ行為を広く知られて肩身が狭くなって欲しい。切実に。

 

 

そう、私は既婚者なのだが、あとのふたりは独身だ。そして若さもある。私は別に恋愛至上主義者ではないが、人様の恋愛話を聞くのは大好きだ。というか、このふたりの話ならずっと聞きたい。

 

Pさんは知性を愛するようだ。広い意味でだが、おバカな人が嫌というわけだ。これは私もよく分かる。そしていつもの友人も、そんな感じだ。そしてどの部分に知性を感じるかは人それぞれだったりするので、知性は単純に価値観が合うかどうか、とも言える。

Pさんは知性の他に、身体のとある部分の話をしていた。そこ?そこにこだわるの?という感じだった。気にしたことのないポイントを教わってしまうと、今後気になってしまうのが難点である。

 

そういえば、私は美しい身体を見る分にはいいなと思うが、それが恋愛に直結したことはない。顔の造形についてもしかり。「好み」を訊かれると、たいてい考え込んでしまう。

おそらく本当に好みが無いのだ。知性に惹かれるとか雰囲気で何かをキャッチすることはあるのだが、ハッキリと何に惹かれているのかは分からない。マッツ・ミケルセンだけは会ったこともないのに完璧だと思っているが、今まで好きになった人を思い浮かべても、マッツのマの字もない上に顔の系統も諸々の属性も何もかもバラバラだ。

 

私は結婚前、うちの人のことを馬鹿みたいに好きだ好きだと追いかけていた。私は好意を隠して生活することが苦手だったので、好きになるとすぐ口にしていた。公認ストーカーだったのだ。公認っていうのは好意を大っぴらにし、明るく接触する。隠れて家を特定したり、犯罪行為に手を染めたりは決してしていない。まぁ付き纏っていることには変わりがないので、猛ダッシュで逃げられたりもしたが。

でも何がそうさせたかというのは、言葉で説明するのは大変に難しい。やはり好みとかそういう次元ではないんだろう。感覚人間。

 

ちなみに、いつもの友人はPさんのことを愛している(広義)。Pさんもまたしかり、のようだ。すなわち両思いである。私だってふたりのことを愛してはいるのだが、どちらかというと「観察者」という役割に徹しているので、没頭してはいない。

 

で、サイゼリヤに戻ろう。

なんだか分からないがふたりが指を絡めだした。絡めるというか、捕獲。Pさんがいつもの友人を捕獲していた。見たことのない手の握り方である。直角の90度で絡み合っていた。(分かりにくいが、想像していただきたい)

触ったぞ、ようやく。今日は挨拶代わりの触れ合いはなかったが、ここに来てようやくだ。と、なぜか私が心の中で微笑んでいる。好きな人たちがイチャイチャしているのを見るのが好きという趣味。

 

触った、で思い出したが「髪の毛に触れる」「頭をポンポンする」ということについても盛り上がった。その行為が苦手だという女性はそこそこ多いと思う。(そういえば男性には尋ねたことがない)

もちろん関係性にもよるが、かなり親しくても恋人でも家族でも、嫌だという人は一定数いると思う。頭って守らなきゃいけない感じがするし、単に触れた時の感触が嫌なのもあるし、セットした髪に触るな、という場合もあるだろう。

髪の毛自体に神経は通っていないが、あのゾワゾワっとする感じはなんなのか。もしかして神経ではない何かが通っているのか?念?

 

 

と、濃ゆい話をしたところで、ぼちぼち閉店の時間が近づいてきた。ぼちぼち、じゃないよ。長居しすぎだろ。

相変わらずガッシャンガッシャン音を立てて片付けをする店員さんを気にしつつ、さすがに会計をする。伝票を見ると安い。二千円台…?

追加オーダーの伝票が来ていない。いつもの友人が元気よく店員さんに声をかける。そして「計算して!」と元気よく伝票を渡されたが、めちゃくちゃ3で割りやすい数字だった。さてはノールックで伝票をパスしたな?

各々、財布をゴソゴソする。細かいのがあるかなーと探していたら、Pさんが一万円札を出した。え?まさかの奢り?な訳がない。普通に間違えていた。

ふたりとも、ちゃんと手元を見てくれ。カオスなサイゼリヤでテンションがおかしくなっちゃったからか、みんな気分がフワフワしているようだ。(ノンアルコール)

 

レジの方が混み合っているので、しばし待つ。お会計を終えた時に、我々が一番最後になっていることに気がついた。たくさんの店員さんがテーブルを拭いたりしている。

わりとみんな、ガッシャンガッシャンやっていた。たぶんカトラリー入れを開け閉めするのがうるさいんだなぁ、というどうでもいい知識を得たところで、外に出た。

 

 

と、ここまで書いて終わりと思いきや、まだあるんです。あるんですけど、今日は力尽きてしまったので、また後日。

まさかの前・中・後編になるとは。

 

 

 

 

 

おまけ。

エコバッグの中から真っ黄色の小さな蛾が出てきた。なんで。