それなり日記

映像作家、三宅美奈子の日記のようなものです。

銀座ってやつは。

 

休日の銀座は復活しつつあった。

 

先日、松屋銀座に用事があり祝日の歩行者天国を歩いてみた。平日に行くことが多いので、人の多さに驚きつつ海外からの旅行客の姿に懐かしさを感じた。

しかし、人混みが苦手な私はひょこひょこ歩きになっていた。ひょこひょこ…ぴょぴょこほどは可愛くないやつ。

 

松屋に行く前に、阪急メンズ館に寄った。

お目当ての香水があり、今月は絶対に買う!と決めていた。だが在庫はなくまさかの入荷時期も未定と言われてしまい、ひとまず情報が入ったら連絡をして欲しいと伝える。

他にこれといった用事はなかったので、一瞬で阪急メンズ館を去ることになった。

 

肩透かしを食らった私はGINZA SIXへと向かった。

目指すはfueguia 1833である。先日も書いた「図書館の概念香水」のお店だ。

 

minakomovie.hatenablog.com

(なんかこの記事だけめっちゃ読まれているね)

 

 

ワクワクしながらフエギアに入店した私。

バベルは持っていて…などと店員さんに話をし、あれこれ香りを提案してもらう。良い香りが多すぎて頭を抱えていたところに、友人(いつもの)からLINEが来た。

彼女も銀座に用事があって来ていたので、フエギアに来てくれと返事をした。私はこの友人に送る手紙に、手持ちの香水を吹きつけたムエットを同封することがある。布教活動だ。

なのでフエギアに居るとあらば呼ばねばならない。

 

 

「あれ、フエギアどこだ?」と迷子のLINEが来たりしたが、なんとか友人が到着。彼女は普段から声が大きくテンションが高いのでどこに居ても目立つ。

私の時にはゆるゆると香りの提案をしてくれた店員さんも、完全に友人のペースに飲まれていった。私はそういう光景を眺めるのがなんとなく好きである。

 

ちなみに私は店員さんに覚えられないよう、お店ではなるべく影を薄くしている。そもそもの性格というのもあるが、なぜか「いつもありがとうございます!」とか言われると逃げ出したくなるからだ。理由はよく分からない。

 

店員さんは重ね付けなどを提案してくれたが、友人は香水をワンプッシュで済ませたいと言う。曰く「頑張ってつけているから」だそう。そして甘い香りが好き!と、とにかくハッキリしている。私も香りの好みはハッキリしているが、新しいものに手を出すのも好きだし、重ね付けも楽しむタイプだ。

友人と私は似てるところもあるし全くもって違う部分も多々ある。そして表面上のテンションがやけに高いのとやけに低いの、という組み合わせなのでデコボコが過ぎる。だが、何故かとても楽だ。あ、凸凹だからちょうどいいってことか。

 

 

さして面積がない店内を何周も駆けずり回ったあげく、友人は甘々な香りを購入することに。ムエットで送りつけたことがある香りだ。布教成功。

私は欲しい香りの在庫が店頭になく、オンラインで買おうかな…と決めたところで、本来の用事に向かわねばならない時間だと気がつく。

会計をする友人とさよならをし、松屋へと。この時ばかりはひょこひょこ歩いてはいられないと思い、早歩きで颯爽と向かった。

 

 

そう、この日はくどうれいんさんのトークイベントがあった。推している作家の話を、目の前で聞ける!サイン会もある!

くどうれいんさんに出会ったのはエッセイだったが、彼女の小説も俳句短歌も好きだ。どれも温かさがあったり、かと思ったら飄々とした雰囲気があったり、クルクルといろんな表情が見れる感じがして楽しい。でもどこを取っても「くどうれいん」がしっかりといる感じがするのがすごい。

まぁ作家ってみんなそういうものなのかもしれないが、最近ようやく自分の軸が見えてきた私からすると、すごいよなぁと思うのである。

 

rainkudo.com

 

さて、松屋の続きだ。

小走りした甲斐もあって、受付番号が3番目だった。案内されると最前列のど真ん中である。なにそれ、目の前とか緊張するじゃん。

このトークイベントは、銀座名匠市という伝統工芸品が集まる祭典の一環だった。目の前で松屋社員さんによる、くどうさんへの工芸品プレゼンが繰り広げられる。私までプレゼンされているみたいでとても楽しかった。

当然のようにあれもこれも欲しくなってしまった。だが、ほいっと買うことはできない値段のものも多いので、今後ゆっくり吟味したいなと思う。一生物ね。

 

その後はサイン会に参加したり、会場の工芸品を堪能し、目の保養だわ...と思いながら退散した。

人の多い銀座はなんだかんだ心地よかった。活気って大事だな、と実感した。5回に1回は休日探訪でもいいかもしれない。

 

ところで今、「きゅうじつたんぽう」が一発変換されなかった。そんな馬鹿な、と思ったら「たんぼう」が普通の読み方らしい。

私はなぜ「ぽう」をメジャーだと思っていたんだ?間違いではないらしいのだが、普段ぽうぽう誰かに言っていたかと思うとちょっと恥ずかしい。指摘されたことないけど。たぶんそんなに会話に出てこないからだけど。

でも「ぽう」のが響きが軽くて「訪れる」感じしない?

 

 

 

 

話が逸れた。

銀座の後日談。友人の話だと「店内で待ち合わせして解散する人たちは初めてです」とフエギアの店員さんに言われたとのこと。

確かに側から見たら少々謎の行動なのかもしれない。なぜフエギアで集合してサクッとさようなら、なのか。わずか小一時間くらいである。でもそれが私と友人というものなんだよな。特に疑問に思う余地はない。

 

それと阪急メンズ館で「入荷未定」だった香水が「売り切れ」でもう入荷しないということが判明。その連絡をもらって意気消沈した私はフエギアの香水を流れるようにポチった。

だがしかし、再び阪急から連絡があり「倉庫に一個だけ在庫がありました!どうしますか?」と言われた。どうするもこうするも、そんなの買うしかないじゃないか。あんなに欲しかったんだから。

いやでも在庫管理どうなってんのー!

 

結局、多額のお金と引き換えにいい匂いの液体がふたつも増えた。嬉しいけどいろいろ頑張らないとピンチである。庶民が買う香水の額じゃない。

 

いい匂いをさせながら、味のない草を食べる生活をするか。...書いておいてなんだけど、味のない草って何?もやしだろそこは。

 

 

 

 

おまけ。

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3月25日の金沢でのイベントについても話してまーす!イベントの詳細はこちらのページをどうぞ。

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