それなり日記

映像作家、三宅美奈子の日記のようなものです。

耳に棲む虫

 

 

頭の中でずっとat the drive in『Arcarsenal』がリフレインしている。

イヤーワームというやつだ。


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めちゃくちゃにうるさい。イヤーワームはよく起こるが、作業に集中できなくなったのでブログを書くことにする。

 

 

イヤーワームが起きた時に私の脳内に頻繁に登場するのは『刑事コロンボ』のテーマ曲だ。

刑事コロンボ[ミステリー・ムービーのテーマ](ヘンリー・マンシーニ)

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ゆったりしすぎなので、これはこれで困る。

そしてつい、口笛を吹きたくなる。絶対に高音が出ないのに。

 

そういえば、幼い頃は吹き替えでコロンボを見ていた。なので、初めてピーター・フォークの声を聞いた時に「あれ、ガラガラした声の渋いおじさんじゃん」と思った。

吹き替えだと軽妙さが先に立っていたんだよなぁ。あそこまで吹き替えが成功すると本物の声に違和感を覚えるという。

 

 

そして、ピーター・フォークは『こわれゆく女』が素敵である。こわれゆく、というかわりと最初から壊れてた気がするけども。


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妻をなだめる時の表情よ。伝わらなくて諦めそう、でも諦めたくない、みたいな逡巡する感じとか。でもやっぱり愛してるのね、と分かる視線とか。

もちろん、ジーナ・ローランズが素晴らしいのは言わずもがな。夫のジョン・カサヴェテスのドキュメンタリーを観た時に、ジーナが彼をなだめるようなシーンがあって、「大変だろうなぁ、でもこの夫婦素敵だな」とため息が出た。

この夫婦は全てが強烈だ。

我が家はたぶん、逆ですね。うちの人が本当に大変そう。他人事みたいに書くなって話だけど、とにかくしんどいと思う。最近はその大変さを面白がっている気もするけど。(そうしないとやっていけないだけか)

というか、この夫婦と同列に語るのおこがましいだろ。

 

 

 

もうひとつ口笛映画を思い出した。なんだろ、口笛映画って。新ジャンル。

フリッツ・ラング監督『M』は監督初のトーキー映画ということで、音にものすごく神経を使っている。この中に出てくる口笛が怖くて怖くて。

更に音楽だけでなく画も、映像表現としての空間と光の使い方及びそれに沿った演出も、とにかく勉強になることばかり。

やはりこの時代まで残っている古典的な映画は見ておくべきだよな。全然見ていない方なので、もっと勉強しよう。


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なんとなくイヤーワームから解放されそうなので、作業に戻ろうかな。

でもカサヴェテスのDVD-BOXを棚から取り出してしまった。え、見る、のか?

欲望に打ち勝つ強さが欲しいですね。弱すぎるので。

 

 

 

 

 

おまけ。

 

下北沢のお店でトルコ珈琲というものを味わいまして。そしてトルコアイスも一緒に食べまして。

トルコアイスって、私が子供の時にすんごい流行った記憶があるんだけど。のびる〜!って無駄に縦に引っ張ってた気がする。

 

ここの内装とか食器、とてもセンスが良い。いわゆるトルコ雑貨屋みたいなところからは、あえてちょっと外しているのが好き。

ソーサーもアイスの容器も、有名な目玉のお守り「ナザール・ボンジュウ」をモチーフにしていて欲しくなってしまった。

 

珈琲は粉ごと淹れるので(沈むの待ちながら飲む。待たない人もいるらしい)独特の濃さと風味。通常の珈琲とは全然違う味わいで気に入ったので、また飲みに行くぞ〜。

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