それなり日記

映像作家、三宅美奈子の日記のようなものです。

赤目

 

 

早朝、寝ぼけながら右目をガシガシ掻いた。かゆくて違和感があった。そこから二度寝した。

二度目の寝起きに鏡を見たら、ひどく充血していた。一瞬、何だよこれと思った。寝るとすぐ忘れる。

 

目にこんなにもたくさんの血管があるということが信じられない。しかも、当たり前のことだがとても細い。こんな細いものが目だけではなく全身にあると考えると、ゾワゾワと鳥肌が立った。

きっと人間は血が巡るところを意識したら気持ち悪くて生きていけないから、そこのところは知覚しないように出来てるんだなぁ……などと思った。

 

 

昔、風呂場ですっ転んだことがある。顔面を強打し、白目が真っ赤になって目の周りも腫れ放題になってしまった。

完全にお岩さんだったが、眼帯をするとパソコンの作業をするには不便すぎたので、あまりつけなかった。

 

腫れている間、付き合いの浅い人にはなんとなく避けられた。なんだか憶測が憶測を呼んでいる感じだったような。

事情を説明しても「風呂場で転ぶとか老人じゃあるまいし、嘘っぽい。なんにせよ怖い」みたいな顔をされた。一体、どうしろというのだ。

目よりも私自身が腫れ物扱いだった。あらぬ想像をさせてしまうほど、私の生活が荒んでいたらしい。

 

 

 

 

 

その後、無事に目の腫れはひき、きちんと見えるようになった。ついでに荒んだ生活からも脱した気がする。これに関しては時間がだいぶかかったけども。

目の近くをぶつけるって一歩間違ったら失明もあり得たのだろうか。今更、肝を冷やしている。

 

 

さっきは「体内の血の巡りを意識できたら生きていけない」と書いたが、逆に怪我して出血すると「あぁ、生きてるな」と思ったりする。

血が体内にある時には知覚出来ないのに、外に出た瞬間に自分が生き物だと感じるなんてよく分からない仕組みだ。でもそれが防衛本能ってことなのか。

 

 

 

 

 

身体っていうものは思った以上に合理的に出来ているんだな。合理的でないのは私の思考回路。

そこに関しては、わりと本気でどうにかしたいと思っている。だが、合理的な言動をする私というのが想像できないのもまた事実。え、3秒で諦めてるじゃん。

 

 

 

 

 

おまけ。

華氏451』『黒衣の花嫁』『アルファヴィル』『地下鉄のザジ』を見ただけで、ご飯3杯いける感じの書籍でした。