それなり日記

映像作家、三宅美奈子の日記のようなものです。

神社誕生

 

 

我が家に新しい冷蔵庫がやって来た。

今まで使っていたものは2009年製の270ℓくらいのサイズ感。右上にHITACHIという文字。そうか、こやつは日立だったのか、と買い換える時になって意識するという。

いやはや、古いな。そして何よりも小さい。特に冷凍庫に全然物が入らない。これでは何があってもコストコなんて行けない。ふたり暮らしとはいえもうちょっと大きいのが欲しい、と思いつつ壊れるわけでもないので現在に至ってしまった。

 

しかし、ここ1年くらいでパッキンが劣化してドアの閉まりが悪くなり、中の棚も割れ(養生テープを貼り付けて対処)、ついに最新の大きな冷蔵庫を買うことにした。家電量販店にてあれやこれやと検討した結果、450ℓクラスの製品を購入。大きい。急に1.5倍以上の容量である。

昨今の事情により家電は待たねばならないのか?と思っていたが、在庫があった。なので翌日に届けてもらうことに。新しい家電が来るのはワクワクするね。

 

 

翌日は時間通りに届いた。男性ふたりがえっちらおっちら、2階まで運んでくれる。重いし傷つけられないし大変ですな。すぐに何かやらかす私は、こういう搬入作業のような仕事に従事する人たちを尊敬する。

ちなみに、私は力だけなら意外とある。重いものを持つこと自体はそこそこできるはず。あと握力もめっちゃある。しかし、注意力散漫かつ体の末端と脳の連携がうまくいかないタイプなので、細やかに運ぶことが不可能なのである。

 

尊敬している間に、冷蔵庫の設置が終わっていた。

うん、とても背が高い。台所において圧倒的存在感だ。そしてガラスの扉なのでピカピカしている。更に店頭で気がつかなかったが、タッチすると扉が開く。グーンッ、という音で開くのが生き物のようで愛らしい。

当然、庫内もすごく広い。チルド室もいろんなモードがあるし自動製氷だし、野菜室は殺菌してくれる。そしてアプリからその辺りの操作もできる。

冷凍室にもモードがあるし、広さ的に冷凍うどん5個入りがすんなり入るではないか。これで夫婦間における冷凍スペースの陣地取りバトルが無くなる。

 

 

しかし、だ。冷蔵庫が最新になったのは喜ばしいことなのだが、我が家の雰囲気との不釣り合い感は否めない。

うちは賃貸でかなり古いマンションだ。私の年齢と同じくらいの年数は経っているはず。別にリノベーションしているわけでもない。それに私たち夫婦は、住めればいいやと思っている節がある。インテリアに凝った部屋ではないし、物もゴチャゴチャと多い。

 

そこにあの最新家電が鎮座している。古いステンレスタイプのキッチンがあるスペースに、ピッカピカの大物がいきなり登場だ。しかも玄関から入っていくと、わりとすぐに目に入る。

なんだか神様が祀られているみたいである。我が家に氷室神社が誕生したようだ。

www.himurojinja.jp

 

「製氷販売業・冷蔵冷凍業の守護神」っていうのがすごい。日本にはありとあらゆる神様がいる。さすが八百万の神、の国だ。

 

 

氷室神社の話はさておき。

我が家で目立ちに目立っている冷蔵庫。この光景にもすぐ慣れるのだろうか。すぐ油に塗れて輝かなくなり、キッチンと同化するのだろうか。異物が鎮座しているのも微妙ではあるが、せっかく綺麗なので馴染んでしまうのも残念な気がする。

 

 

 

 

 

もしかして、新しい家に引っ越せばいいのでは?綺麗な一軒家とか。家電も古いものから順に買い換えていって。

などと妄想しているが大きな箱の方を変えればいいという暴論はうちの人に却下されそうである。実のところ引っ越し自体はふんわりと検討しているが、急にお金持ちになる訳ではないので、いきなりランクアップした家に住むことにはならないだろう。

そもそも家に大金をかけようという気概が夫婦揃って無い気がする。その前に旅行に行ったりなんだり、使ってしまいがちだ。刹那的な使い方をしてお金が貯まらない我が家。

 

 

 

 

 

今はただ、ニヤニヤしながら広い冷蔵庫内を眺め、アイスコーヒーをたっぷり作って冷やそうかなと考える楽しみを享受することにする。

 

 

 

 

 

おまけ。

我が青春のウォン・カーウァイが上映している。観に行かないと。

しかし『2046』だけ、あまり内容を覚えていない。『花様年華』が好きすぎて、そこで私のカーウァイ歴が止まっている。

正直『2046』より『欲望の翼』の方をスクリーンで観たい。

 

unpfilm.com